世界遺産・平城宮跡を横断する近鉄、移転へ始動

読売新聞 2017年1月10日17時33分

奈良県は、世界遺産・平城宮跡(奈良市)を横断する近鉄奈良線の宮跡外への移設に向け、本格的な検討を始めた。

宮跡を歴史的遺産として保護し、景観を改善すると同時に、線路を地下か高架にして、周辺道路の渋滞解消と沿線の再開発を同時に進める狙い。今後、国や奈良市、近鉄に働きかけ、早期実現を目指す。

近鉄奈良線は1914年敷設。当時の宮跡は一面の田畑だったが、調査や研究が進み、22年に国の史跡、52年に特別史跡に指定。98年には世界遺産に登録された。同年に朱雀門、2010年には大極殿が復元された。

宮跡の整備が進むにつれて、景観上の問題が指摘されるようになり、国土交通省は08年、線路の将来的な移設を前提に、宮跡を国営公園とする整備基本計画を発表していた。

県が移設先として想定しているのが、朱雀門の南約200メートルを東西に走る大宮通り。大和西大寺駅南側の車両基地周辺から、近鉄奈良駅までの約4キロを結ぶ。通り沿いにある奈良市役所前の県有地3・2ヘクタールでは複合施設やバスターミナルの建設計画が進んでおり、20年には外資系ホテルも開業予定。県は、大宮通りの地下か高架に線路を移設して周辺の踏切で発生している渋滞を解消するほか、付近に新駅を設置し、街づくりの核とする構想を描く。

県は昨年12月、大和西大寺駅から近鉄沿線の東側6キロ、南北2キロの範囲で、移設による周辺への影響、工事費の概算などに関する調査を開始。大宮通り以外のルートの可能性についても検討し、今年度中に課題をまとめる方針だ。

その後、近鉄や奈良市の同意を得て都市計画決定し、ルート変更に必要な事業基本計画の変更など鉄道事業法に基づく手続きを行うとともに、用地の買収や具体的な設計を進める。新年度以降、近鉄と協議を進め、具体的な計画策定を目指す。

課題は埋蔵文化財。奈良時代の大宮通りは「三条条間路」と呼ばれる幅9メートル弱の道で、建物の遺構はないとみられるが、側溝跡に多数の木簡類があると予想され、建設時の発掘調査が長期に及ぶ可能性がある。

荒井正吾知事は「大宮通りへの移設を中心に検討を進め、奈良市や県議会に案を出したい」と話す。近鉄広報部は「県が主体的に取り組んでいるのでコメントできない」としている。

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◆平城宮跡=710年、藤原京から遷都された平城京の中心で約130ヘクタール。784年に長岡京へ遷都され、長く田畑となっていたが、江戸末期から研究者らに注目され、明治期に保存運動が盛り上がった。近鉄の線路を除き、ほとんどが国土交通省と文化庁が管理する国有地。

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